OS X からシリアル接続(コンソール接続)するには
Cisco 等の本格的なネットワーク製品は初期アドレスや初期ユーザが無い場合が多く、SSH や TELNET で接続することが出来ません。これらの製品を設定するにはシリアル接続(コンソール接続)が必須です。今回は OS X から Cisco 機器にシリアル接続してみます。
必要なもの¶
一般的な Cisco 機器にシリアル接続を行うには以下が必要です。
- USB / シリアル変換コネクタ
- ロールオーバーケーブル(※ たまに「Cisco ケーブル」と呼ぶ方もいらっしゃるようです)
- ターミナルアプリケーション
USB / シリアル変換コネクタを用意する¶
以前は OS X で利用出来る USB / シリアル変換コネクタが少なかったのですが、最近は大型家電店でも見かけるようになりました。対応 OS に「OS X」の記載があれば、どちらの製品でも大丈夫だと思います。私は昔からラトックシステム株式会社の「REX-USB60F」を使っています。ドライバーは製品ページからダウンロード出来ます。ドライバーのインストールに成功すれば、デバイスは /dev/cu.usbserial* として認識されるはずです。
ターミナルアプリケーションのインストール¶
OS X からシリアル接続出来るターミナルアプリケーションは幾つかありますが、私は「Jerminal」を使っています。以前はソースコードをコンパイルしてインストールしていましたが、現在は Homebrew で簡単にインストール出来るようになっています。この記事時点のバージョン情報は以下でした(0.8096 から、もう更新されないかも知れません…)
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Homebrew でインストールします。
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Jerminal でシリアル接続してみる¶
Jerminal には幾つかオプションを指定することが出来ます。代表的なものは以下の通りです。
- -b [speed]
- 通信スピードを指定します。9600bps の場合は -b 9600 を指定します(デフォルトは 9600bps)。
- -p [none|evenlodd]
- パリティの有無を指定します。パリティ無しの場合は -pn を指定します(デフォルトは none)。
- -d [7|8]
- データビット長を指定します。8 ビットの場合は -d 8 を指定します(デフォルトは 8 ビット)。
- -s [1|2|1.5]
- ストップビットを指定します。ストップビットが 1 の場合は -s 1 を指定します(デフォルトは 1)
- -f [none|x|hard]
- フロー制御の有無を指定します。フロー制御無しの場合は -f none を指定します(デフォルトは none)。
実際に接続してみます。当然ですが、デフォルト値であればオプションは省略可能です。
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シリアル接続を切断する¶
シリアル接続すると Cisco 機器上で exit コマンド等を実行しても、接続は切れません。Jerminal の接続を終了したい場合は「Control + m」「~」「.」の順にキータイプします。
サーバモードで起動する¶
Jerminal をサーバモードで起動すると、Jerminal を起動している端末の TCP ポートへ、リモート端末からアクセスすることで、遠隔地からシリアル接続を行うことが出来ます。サーバモードで起動するには -D オプションを指定します。
- -D
- サーバモードで起動します。
- -P
- ポート番号を指定します(デフォルトは TCP/8086)
- -4
- IPv4 アドレスを利用します。
- -6
- IPv6 アドレスを利用します。
サーバモードでの実行例は以下のようになります。
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別の端末から、この端末のシリアルポートへ接続するには以下のように、Jerminal をクライアントモードで実行します。
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