RouterOS をアップグレード/ダウングレードする
RouterOS は比較的頻繁に更新されており、誰でも MikroTik の公式ダウンロードページ からダウンロードすることが可能です。今回は RouterOS と Firmware のアップグレード&ダウングレード手順をメモしておきます。具体的には以下の手順をメモしておきます。
- RouterOS
- RouterOS を最新 OS にアップグレードする(WebFig / CLI)
- RouterOS を指定 OS にアップグレードする(WebFig / CLI)
- RouterOS を指定 OS にダウングレードする(WebFig / CLI)
- Firmware
- Firmware をアップグレードする(WebFig / CLI)
現在のバージョン情報を確認する¶
RouterBoard は以下 2 つの要素から構成されます。
- RouterOS (OS そのもの)
- Firmware (RouterBOOT とも呼ばれる)
これらは個別にアップグレード/ダウングレードする必要があります。
WebFig からバージョン情報を確認する¶
WebFig のログイン画面上に RouterOS のバージョンが表示されます。下記の例では「6.33.3」です。
ログイン後も、画面の右上に RouterOS のバージョンが表示されます。
Firmware のバージョンは「System > Rouerboard」から確認出来ます。下記の例では「3.18」です。
CLI からバージョン情報を確認する¶
RouterOS のバージョンは /system resource print で確認出来ます。下記の例では「6.33.2 (stable)」です。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 |
|
Firmware のバージョンは /system routerboard print で確認出来ます。下記の例では「3.18」が現在のバージョンです。
1 2 3 4 5 6 7 |
|
不要なファイルを削除しておく¶
アップグレード/アップグレード後に余計なファイルが残らないように、全てのファイルを削除しておきます。
WebFig からファイルを削除する¶
「Files」を選択すると RouterBoard に保存されているファイルの一覧を表示出来ます。不要ファイルの左側にある「-」(マイナス記号)をクリックすることで該当ファイルを削除出来ます。「-」をクリックした瞬間に(確認無く)ファイルが削除されますので、慎重に作業します。
CLI からファイルを削除する¶
保存されているファイルを確認するには /file print を実行します。
1 2 3 4 |
|
ファイルの削除は /file remove [NUMBER] で実行します。
1 2 |
|
ファイルが削除されたことを確認します。
1 2 |
|
RouterOS を最新 OS へアップグレードする¶
RouterBoard から自動的にインターネットへ接続し、最新の OS へアップグレードさせることが出来ます。当然ですが、「IP アドレス」「ルーティング(デフォルトルート)」「DNS」が正しく設定され、RouterBoard からインターネットへの疎通性が確保出来ていることが前提です。
WebFig から最新 OS へアップグレードする¶
WebFig で 6.33.2 から最新 OS へアップグレードしてみます。「System > Packages」から「Check for Updates」を選択します。
もし「インターネットへの疎通性」が確保されていないと、以下のように「ERROR: cloud not resolve dns name」エラーになります(IP アドレスは設定済み、しかし「デフォルトルート未設定」「DNS 未設定」だと、このエラーになりました)。
インストールするチャンネルを選択します。チャンネルは以下の 4 つから選択します。しかし、現時点(2015/12/19)時点で、少なくても MIPS プラットフォームには development チャンネルを選択してもファイルが存在せず、実質的に選択することが出来ませんでした。
- bugfix only
- current
- release candidate
- development
通常は安定版である current チャンネルを選択します(先進的な機能を利用したい場合は release candidate を選択します)。チャンネルを指定したら「Download&Install」を選択します。
あとは放っておくだけでインストールが完了します。しばらくダウンロードの進捗が表示されます。
ダウンロード&インストールが完了すると自動的に再起動され、最新 OS へのアップグレードが完了します。
CLI から最新 OS へアップグレードする¶
CLI で 6.33.2 から最新 OS へアップグレードしてみます。どの OS へアップグレードされるのか?は /system package update check-for-updates で確認出来ます。今回は 6.33.3 へアップグレードされるようです。
1 2 3 4 5 |
|
問題無ければ、/system package update install でアップグレードを開始します。但し、WebFig と違ってチャンネルを選択する方法が分かりませんでした… WebFig 同様、インターネットへの疎通性があることが前提です。アップグレードを開始すれば、後は完了まで放っておくだけです。しばらくはダウンロードの進捗が表示されます。
1 2 3 4 5 |
|
ダウンロード&インストールが完了したら自動的に再起動され、最新 OS へのアップグレードは完了です。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
|
RouterOS を指定 OS へアップグレードする¶
WebFig から指定 OS へアップグレードする¶
WebFig で RouterOS 6.33.2 から 6.33.3 へアップグレードしてみます。余計なファイルが削除されていることを確認したら、予めダウンロードしておいた「アップグレード先」になる RouterOS のバイナリを RouterBoard へコピーします。「Files」から「ファイルを選択」をクリックし、RouterOS のバイナリをアップロードします。
アップロードが完了すると、「Files」メニューにファイルが表示されます。
これで準備完了です。アップグレードを実施する為に「System > Reboot」を選択し、RouterBoard を再起動させます。
再起動の最終確認ダイアログが表示されるので「OK」をクリックし、再起動させます。これでアップグレードは完了です。
CLI から指定 OS へアップグレードする¶
CLI で RouterOS 6.33.2 から 6.33.3 へアップグレードしてみます。余計なファイルが削除されていることを確認したら、予めダウンロードしておいた「アップグレード先」になる RouterOS のバイナルを RouterBoard へコピーします。今回は OS X から scp でコピーしましたが、Windows であろうと Linux/UNIX であろうと、基本的な手順(scp なり、ftp なり、何がしかのプロトコルでコピーする)は同じです。
1 |
|
RouterBoard 側にファイルがコピーされたことを確認します。
1 2 3 |
|
これで準備完了です。/system reboot を実行して RouterBoard を再起動するとアップグレードされます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 |
|
再起動が完了したらログインし、アップグレードされたことを確認します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 |
|
RouterOS をダウングレードする¶
WebFig からダウングレードする¶
WebFig で RouterOS 6.33.3 から 6.33.2 へダウングレードしてみます。アップグレード時とほぼ同様に、余計なファイルが削除されていることを確認したら、予めダウンロードしておいた「ダウングレード先」になる RouterOS のバイナルを RouterBoard へコピーします。「Files」から「ファイルを選択」をクリックし、「ダウングレード先」になる RouterOS のバイナリを指定します。
「Files」にアップロードしたファイルが表示されます。
アップグレード時は「System > Reboot」で RouterBoard を再起動させたのですが、ダウングレード時は手順がやや異なります。「System > Packages」から「Downgrade」を選択します。
ダウングレードに伴って RouterBoard の再起動が発生するが良いか?という確認のウインドウが表示されるので「OK」を選択して継続します。これでダウングレード作業は完了です。
CLI からダウングレードする¶
CLI で RouterOS 6.33.3 から 6.33.2 へダウングレードしてみます。余計なファイルが削除されていることを確認したら、予めダウンロードしておいた「ダウングレード先」になる RouterOS のバイナルを RouterBoard へコピーします。
1 |
|
RouterBoard 側にファイルがコピーされたことを確認します。
1 2 3 |
|
アップグレード時であれば「/system reboot でルータ再起動を実施する」のですが、ダウングレード時は少しだけ手順が異なります。具体的には /system package downgrade を実行し、ルータを再起動します。/system reboot で再起動してしまうとダウングレードは実行されませんので、要注意です。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 |
|
再起動が完了したらログインし、ダウングレードされたことを確認します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 |
|
Firmware をアップグレードする¶
Firmware は RouterBOOT とも呼ばれます。Firmware のアップグレードを実行すると「RouterOS に同梱されている Firmware のバージョン」へアップグレード(変更)されることになります。
WebFig からアップグレードする¶
WebFig で Firmware をアップグレードしてみます。「System > Routerboard」から現在のバージョン/アップグレード先のバージョンを確認出来ます。「Upgrade」選択します。
「OK」を選択し、Firmware のアップグレードを実行します。
CLI からアップグレードする¶
CLI で Firmware をアップグレードしてみます。Firmware バージョンは /system routerboard print で確認出来ます。下記の例では「現在のバージョンは 3.18」であり、「RouterOS と同梱されている最新の Firmware のバージョンは 3.24」であることが分かります。つまり、アップグレードすると 3.24 になります。
1 2 3 4 5 6 7 |
|
Firmware のアップグレードは /system routerboard upgrade で実施します。
1 2 3 4 |
|
再起動し、Firmware(RouterBOOT)のバージョンが更新されていることを確認しておきます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 |
|