vSphere 6.5 + MikroTik 間を LACP/Bonding で設定する(失敗)
vSphere 6.5 と MikroTik 6.27.3 の間を LAG / Bonding 構成にする設定例をメモしておきます。が、結果、上手くいっていません…
結論¶
とりあえず通信出来るようにはなったのですが、以下のような症状が出ています… 上手く通信出来るようになったら MikroTik のコンフィグも掲載しようと思います。
- MikroTik 側ではログ検知無し
- vSphere 側の vDS で Uplink の Down/Up を頻繁に検知する
- MikroTik を Cisco Catalyst へ変更すると安定する
構成¶
構成は以下の通りです。
ポイントは以下の通りです。
- 全体
- vSphere 〜 MikroTik 間は Tag VLAN 設定とし、VLAN 3101 〜 3105 を許可する
- vSphere 〜 MikroTik 間は LACP 設定とする
- vSphere
- vDS(vSphere Distributed Switch = 分散スイッチ)の構成とする
- LAG(Link Aggregation = リンクアグリゲーション)の構成とする
- MikroTik
- ether3 〜 6 を Bonding インターフェイスとして設定
パラメータ¶
vDS 関連のパラメータ¶
項目 | 値 | 備考 |
---|---|---|
名前 | vDS-01 | - |
アップリンク数 | 2 | - |
デフォルトのポートグループ作成 | 作成しない | 後の工程で作成する為、当初は作成しない |
アップリンク関連のパラメータ¶
項目 | 値 | 備考 |
---|---|---|
名前 | vDS-01-DVUplinks | - |
VLAN トランクの範囲 | 3101 〜 3105 | - |
LACP (LAG) 関連のパラメータ¶
項目 | 値 | 備考 |
---|---|---|
名前 | LAG-01 | - |
ポート数 | 2 | - |
モード | 有効 | - |
アップリンクポートの割り当て¶
No. | ホスト | NIC | アップリンク |
---|---|---|---|
1 | ESXi-01 | vmnic0 | LAG-01-0 |
2 | ESXi-01 | vmnic1 | LAG-01-1 |
3 | ESXi-02 | vmnic0 | LAG-01-0 |
4 | ESXi-02 | vmnic1 | LAG-01-1 |
ポートグループ関連のパラメータ¶
項目 | 値 | 備考 |
---|---|---|
名前 | VLAN-3101 | - |
VLAN タイプ | VLAN | Cisco で言うところの「アクセス VLAN」のこと |
VLAN ID | 3101 | - |
アクティブアップリンク | LAG-01 | - |
未使用のアップリンク | Uplink 1 と Uplink 2 | - |
Step.1¶
分散スイッチの作成を開始します。画面上部のアイコン(赤丸の箇所)をクリックします。
Step.2¶
vDS の名前を指定します。vDS の名前を入力したら「次へ」をクリックします。
Step.3¶
vDS のバージョンを指定します。バージョンが新しい程、高機能です。デフォルトで最新のバージョンが選択されているはずです。今回は 6.5 が選択されていることを確認し、「次へ」をクリックします。
Step.4¶
vDS のパラメータを指定します。今回の構成では一台の ESXi あたり 2 つのアップリンクポートがありますので、アップリンク数は「2」を指定します。ポートグループは LAG の設定が完了した後で作成する為、「デフォルトのポートグループの作成」からはチェックを外します。設定が完了したら「次へ」をクリックします。
Step.5¶
確認の為、ここまでに指定したパラメータが一覧表示されます。意図した値になっていることを確認したら「完了」をクリックします。これで vDS の作成は完了です。
Step.6¶
次は作成された vDS のアップリンクを設定します。アップリンク(下記では「vDS-01-DVUplinks-89」)を選択し、右上の「編集」をクリックします。
Step.7¶
アップリンクの名前を指定(修正)します。アップリンクの名前を入力したら「OK」をクリックします。
Step.8¶
アップリンクで通す Tag VLAN ID を指定します。今回は 3101 〜 3105 の 5 VLAN を許可するので「3101-3105」と指定しました。設定が完了したら「OK」をクリックし、アップリンクの設定を完了します。
Step.9¶
次は LAG (LACP) を設定します。vDS(下記では「vDS-01」)を選択し、「設定 → LACP」に表示されている「+」(緑色の十字アイコン)をクリックします。
Step.10¶
LAG の名前、ポート数、モードを設定します。設定が完了したら「OK」をクリックし、LAG の設定を完了します。
Step.11¶
vDS にホストを追加します。画面上部のアイコン(赤丸の箇所)をクリックします。
Step.12¶
vDS に対して実行するアクションを選択します。「ホストの追加」が選択されていることを確認したら「次へ」をクリックします。
Step.13¶
左上に表示されている「+」(緑色の十字アイコン)をクリックし、新規ホストの追加を開始します。
Step.14¶
vDS に追加するホストを選択します。追加する 2 台の ESXi ホストにチェックを入れ、「OK」をクリックします。
Step.15¶
ホストの選択画面に戻りますが、先程指定した ESXi ホストが追加されていることを確認します。「次へ」をクリックします。
Step.16¶
vDS に追加するネットワークアダプタを選択します。デフォルトでは以下のようになっていました。
項目 | チェック |
---|---|
物理アダプタの管理 | チェック有り |
VMkernel アダプタの管理 | チェック有り |
仮想マシンネットワークの移行 | チェック無し |
今回は VMkernel アダプタは利用しない構成とするので、VMkernel アダプタからはチェックを外し、「次へ」をクリックします。
Step.17¶
vDS のアップリンクへ物理ネットワークアダプタを割り当てていきます。今回の設定方針は以下の通りです。
No. | ホスト | NIC | アップリンク |
---|---|---|---|
1 | ESXi-01 | vmnic0 | LAG-01-0 |
2 | ESXi-01 | vmnic1 | LAG-01-1 |
3 | ESXi-02 | vmnic0 | LAG-01-0 |
4 | ESXi-02 | vmnic1 | LAG-01-1 |
まず、No.1 を設定します。ESXi-01(172.31.98.231)の vmnic0 を選択したら上部の「アップリンクの割り当て」をクリックします。
Step.18¶
「LAG-01-0」を選択し、「OK」をクリックします。
Step.19¶
次は No.2 を設定します。ESXi-01(172.31.98.231)の vmnic1 を選択したら上部の「アップリンクの割り当て」をクリックします。
Step.20¶
「LAG-01-1」を選択し、「OK」をクリックします。
Step.21¶
次は No.3 を設定します。ESXi-02(172.31.98.232)の vmnic0 を選択したら上部の「アップリンクの割り当て」をクリックします。
Step.22¶
「LAG-01-0」を選択し、「OK」をクリックします。
Step.23¶
最後に No.4 を設定します。ESXi-02(172.31.98.232)の vmnic1 を選択したら上部の「アップリンクの割り当て」をクリックします。
Step.24¶
「LAG-01-1」を選択し、「OK」をクリックします。
Step.25¶
これで No.1 〜 4 の設定が完了しました。「次へ」をクリックします。
Step.26¶
「この設定変更が依存するサービスに影響を与えるのか?否か?」を分析&表示した結果が表示されます。今回は新規設定なので、特に気にせず「次へ」をクリックします(※ 既存 vDS の設定を修正する際は影響範囲をよく確認し、慎重に作業します)。
Step.27¶
「完了」をクリックします。
Step.28¶
ポートグループの作成を開始します。画面上部のアイコン(赤丸の箇所)をクリックします。
Step.29¶
ポートグループの名前を指定します。「1 ポートグループ = 1 VLAN」とは限りません。例えば、2 つのポートグループを同じ VLAN にし、アクティブなアップリンクを分ける… ということも可能です。ですが、今回は「1 ポートグループ = 1 VLAN」というシンプルな方針とし、「ポートグループ名 = VLAN ID」としました。ポートグループの名前を入力したら「次へ」をクリックします。
Step.30¶
VLAN タイプと VLAN ID を指定します。設定が完了したら「次へ」をクリックします。
Step.31¶
「完了」をクリックします。
Step.32¶
ここまでの手順でポートグループが作成されました。但し、ポートグループが利用するアップリンク設定がデフォルトでは LAG を利用しないようになっています。LAG を利用するに設定修正する為、ポートグループ(下記では「VLAN-3101」)を選択し、右上の「編集」をクリックします。
Step.33¶
左側の「チーミングおよびフェイルオーバー」をクリックします。
Step.34¶
デフォルトでは以下のようになっているはずです。LAG が「未使用のアップリンク」になっており、利用されていないことが分かります。
種別 | インターフェイス |
---|---|
アクティブアップリンク | Uplink 1 と Uplink 2 |
未使用のアップリンク | LAG-01 |
これを以下のように修正します。
種別 | インターフェイス |
---|---|
アクティブアップリンク | LAG-01 |
未使用のアップリンク | Uplink 1 と Uplink 2 |
設定後の画面は以下のようになるはずです。設定が完了したら「OK」をクリックします。
これで vDS の設定は完了です。後は仮想マシンのネットワーク設定で、接続するネットワークを今回、作成したポートグループに指定すれば OK です。冒頭に記載した通り、もし通信出来ない場合は MikroTik の Bonding インターフェイスを Disable / Enable すると通信出来るようになるかも知れません…