Cisco ACI で「APIC Connectivity Preferences」設定は APIC の経路メトリックを変更している
Cisco ACI では APIC が外部と通信を行う際、通信の出口として下記ふたつの選択肢のうち、「どちらを優先するか?」設定で制御することが出来ます。
- In-band (APIC には 10GbE x 2 のポートがある)
- Out-band (APIC には 1GbE x 2 のポートがある)
ヘルプ表示¶
APIC のヘルプ表示では以下のように説明されています。

inband 設定¶
APIC の GUI だと System → System Settings → APIC Connectivity Preferences から設定可能です。 デフォルトでは inband に設定されています。

実際には APIC で bash を実行し、ルーティングテーブルを確認すると以下のように表示されます。
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In-band 側のインターフェイスは bond0.<VLAN-ID> と表現されます。 APIC Connectivity Preferences が inband に設定されていると Metric 値が inband:8 vs outband:16 となり、結果的に In-band 側の経路が優先されるようになります。
| Iface | どちら側? | Metric | 優先度 |
|---|---|---|---|
| bond0.3000 | In-band 側 | 8 | 最優先 |
| oobmgmt | Out-band 側 | 16 |
outband 設定¶
次は APIC Connectivity Preferences を outband に設定してみます。

数秒間、ルーティングテーブルに (Out-Band では無く) In-band 側の経路が消失しました。
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その後、ルーティングテーブルは以下のように収束しました。
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Out-band 側の Metric 値は変わらないのですが、In-band 側の Metric が 8 → 32 へ下がったことにより、Out-band 側が優先されることが分かります。
| Iface | どちら側? | Metric | 優先度 |
|---|---|---|---|
| bond0.3000 | In-band 側 | 32 | |
| oobmgmt | Out-band 側 | 16 | 最優先 |