Cisco ACI の Tenant を CLI で設定する
Cisco ACI は GUI や REST API など、様々な方法で設定することが出来ます。 今回は CLI で設定する方法をメモしておきます。 尚、実際の検証は 5.0(2h) で行いました。
設定モードへの移行方法¶
ACI 環境において、CLI であっても「設定は全て APIC で行う」というのは同じです。 CLI の設定モードへ移行するには APIC で configure terminal
を実行します。
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conf t
では無く) configure
でも同じく、設定モードへ移行することが可能です。
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Tenant¶
Tenant の作成時、特に注意事項はありません。
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VRF¶
VRF の作成時、特に注意事項はありません。
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BD (Bridge Domain)¶
GUI と CLI でデフォルト値に以下の差があります。
項目 | GUI デフォルト値 | CLI デフォルト値 |
---|---|---|
ARP Flooding |
enable |
disable |
その為、CLI から BD を作成する場合、必要に応じて arp flooding
を設定しておきます。
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尚、bridge-domain Bd1
で BD を作成すると必ず同時に interface bridge-domain Bd1
も定義されます。
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この設定は連動しており、例えば no interface bridge-domain Bd1
で削除すると bridge-domain Bd1
も削除されます。
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BD Subnet¶
GUI と CLI でデフォルト値に以下の差があります。
項目 | GUI デフォルト値 | CLI デフォルト値 |
---|---|---|
Make this IP address primary |
disable |
enable |
その為、CLI から BD を作成する場合、ip address ~ secondary
のように secondary
を設定します。
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以下のように secondary
を指定せずに設定すると Make this IP address primary
が Enable
になります。
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Application Profile¶
Application Profile の作成時、特に注意事項はありません。
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AppEpg (Application EPG)¶
GUI と CLI でデフォルト値に以下の差があります。
項目 | GUI デフォルト値 | CLI デフォルト値 |
---|---|---|
QoS |
Level3 |
Unspecified |
その為、CLI から設定する時は必要に応じて明示的に set qos-class level3
を設定します。 尚、今回は VMM Domain で設定しています。
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L3Out¶
L3Out は設定量が多いで若干、長くなります。 最低限の設定は概ね以下のようになろうかと思います。 ここでは OSPF で設定しています。 show running-config
で表示されるコンフィグ順序上は「router ospf default
が先 (上位)」なのですが、router ospf default
で定義している VRF が存在しない場合、この順序で設定するとエラーになってしまいます。 そこで (show running-config
通りのコンフィグ順序では無く) router ospf default
より先に vrf context
を設定しています。
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Filter¶
Filter の作成時、特に注意事項はありません。
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Contract 及び Subject¶
contract
で Contract を作成します。 type
オプションには以下の値を指定可能です。 type
オプションを指定しない場合は Standard Contract が作成されます。
No. | type | 作成される Contract 種別 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | permit | Standard | - |
2 | deny | Taboo | - |
3 | oob-mgmt | Out-Of-Band Contracts | mgmt' Tenant でしか作成出来ない (他 Tenant で作成するとエラー) |
Out-Of-Band Contracts
とは mgmt
Tenant で OoB 接続の管理に利用する特殊な Contract です。
GUI で Subject を設定する場合、デフォルトで Apply Both Direction
が true
に設定されますが、CLI では access-group Filter1 both
のように、明示的に both
を指定する必要があります。
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Apply Both Direction
を false
に設定する場合は in
オプションを指定する必要があります。
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access-group Filter1
設定はオプションとして以下の 3 値から指定することが出来ます。
No. | access-group 設定 | Apply Both Direction | Filter Chain For Consumer to Provider | Filter Chain For Provider to Consumer |
---|---|---|---|---|
1 | both | true | - | - |
2 | in | false | ○ | X |
3 | out | false | X | ○ |
尚、CLI に限った話ではありませんが、both
な Filter が存在する Subject に in
や out
な設定を追加することは出来ません。 実際に試してみると Cannot add in if both is present
というエラーになります。
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both
Filter を含まないのであれば in
と out
を混在させることは可能です。 以下で例示している Contract2
や Contract3
はいずれも正しく設定可能です。
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L3Out と AppEpg を Contract する¶
L3Out と AppEpg を Contract してみます。
L3Out (Provider) ~ AppEpg (Consumer)¶
以下の設定になります。
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AppEpg (Provider) ~ L3Out (Consumer)¶
Provider と Consumer を逆に設定する場合、以下の設定になります。
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BD Subnet を L3Out から広報する¶
BD Subnet を L3Out から広報するには下記の設定が必要です。
- BD の L3 Configurations で
Associated L3 Outs
へ適切な L3Out を関連付ける - BD Subnet の Scope を
Advertised Externally
に設定する
これを CLI で設定すると下記の通りです。
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leaf の match bridge-domain Bd1
に一致する設定は、GUI 上では下記です。
Tenant の ip address 10.0.1.254/24 scope public
に一致する設定は、GUI 上では下記です。
ExtEpg Subnet¶
ExtEpg Subnet の External EPG Classification
が External Subnets for External EPG
をチェックした状態にするには以下のように設定します。
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ExtEpg の Route Control / External EPG Classification 設定ごとの設定を一覧にすると以下の通りです。 Route Control に関連する設定は leaf で、External EPG Classification に関する設定は tenant で実施します。
全体の設定¶
(Application Profile や Subject, Filter などを除き) 今回設定した主要コンポーネントを図示すると以下の通りです。
この構成を CLI から設定する場合、コンフィグは以下の通りです。
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