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CML 2.7.2 へアップグレードする

Cisco CML 2.7.2 がリリースされていたので、Cisco CML のバージョンアップ手順をメモしておきます。 今回は「2.7.1 → 2.7.2」へのバージョン変更です。 正式な手順は公式サイトの Upgrading to New Version に記載されています。

尚、今回は「Reference Platform の追加」については説明しません。 公式サイトの Copy Refplat ISO to Disk に詳細が書かれていますが、Reference Platform に含まれるイメージを追加したい場合は Cockpit 上から操作を行う必要があります。

作業の流れ

作業の流れは概ね以下の通りです。

  1. アップグレードファイルのダウンロード (Cisco.com から CML のソフトウェアをダウンロード出来るアカウント≒契約が必要)
  2. ベース OS のソフトウェア更新
  3. アップグレード用ファイルのアップロード
  4. メンテナンスモードの設定・ホストの停止
  5. CML のアップグレード
  6. メンテナンスモードの解除・CML ホストの開始

以下、補足です。

ベース OS のソフトウェア更新は「必須では無い」

「2. ベース OS のソフトウェア更新」は必須では有りません。 例えば「Proxy 内に CML が存在し、Proxy を経由させるのが面倒」などの事情があれば「スキップしてしまう」のもひとつの選択だと思われます。

CML のベースは Ubuntu で動作していますが、ベース OS のソフトウェア更新を行う場合、「インターネットに疎通出来ること」「インターネット上の FQDN の名前解決が出来ること」が必要です。

Cluster 構成でもアップグレード手順は基本的に「同じ」

CML には「複数台の CML ホストを集合させ、クラスターを構成する」という機能があります。 Cluster 機能については CML Cluster Installation で説明されています。 このメモ自体は「非 Cluster 構成でのアップグレード手順」を説明していますが、Cluster 構成であってもアップグレード手順はほぼ同じです。 後述しますが、Cluster 構成の場合は「CML ホストを停止 / 再開させる」手順で選択する対象ホストが「Cluster に参加している全ホスト」になり、バージョンアップ作業を CML ホストの台数分、Cockpit から繰り返すだけです。

アップグレード作業時間は「15 〜 30 分程度」

CML ホストが 1 台構成の場合、「4 〜 6」の作業は 15 〜 30 分もあれば十分、完了すると思われます。

アップグレード作業は「CML」と「Cockpit」を往復する

CML のアップグレード作業を行うには「CML 本体」と「CML ホストの Cockpit」を往復する必要があります。 下記の例では「CML 自体のアドレスは 10.0.0.1」と仮定しています。 「CML 本体」と「Cockpit」では用いる認証 (ユーザ名 / パスワード) が異なります。 各々のパスワードは CML のインストール時に設定したはずですので、その情報を用います。

対象 URL デフォルトのユーザ名
CML 本体 https://10.0.0.1 admin
CML ホストの Cockpit https://10.0.0.1:9090 sysadmin

アップグレードファイルのダウンロード

Step.1

はじめに Cisco.com のダウンロードページからアップグレード用のファイルをダウンロードします。 ここでは cml2_2.7.2-26_amd64-29-pkg.zip をダウンロードしています。

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後の手順で出てきますが、実際にはダウンロードした .zip ファイルを展開し、その中に含まれている .pkg ファイルを利用します。

cml2_2.7.2-26_amd64-29-pkg
├── CML-IMG-REL-CCO_RELEASE.pem
├── cisco_x509_verify_release.py3
├── cml2_2.7.2-26_amd64-29.pkg
├── cml2_2.7.2-26_amd64-29.pkg.README
└── cml2_2.7.2-26_amd64-29.pkg.signature

Step.2

バージョン変更が完了するまで全てのラボ (ノード) は停止しておく必要があります。 1 台でもノードが起動している場合、この後の手順でエラーになってしまい、手順を進めることが出来ません。 全ラボのノードを停止しておきます。

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ノード数が多くて停止が大変な場合は TOOLSSystem AdministrationNODE ADMINISTRATION から複数のノードを一括して操作 (≒ 停止) することも出来ます。

ベース OS のソフトウェア更新

Step.3

CML のアプリケーションをバージョンアップする前に、ベースになっている OS (Ubuntu) のパッケージをアップデートします。 アップデートは Cockpit から実施します。 CML のアドレスの 9090/TCP ポート、例えば https://ADDRESS:9090 へアクセスして Cockpit へログインします。

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Step.4

サービス をクリックします。

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Step.5

ターゲット をクリックします。

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Step.6

ターゲットの一覧が表示されます。

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画面上部にキーワードを入力すると、キーワードに一致するターゲットのみに表示を絞れます。 virl2 と入力すると virl2.target だけ表示されますので、これをクリックします。

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Step.7

CML2 Network Simulation System が表示されます。

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停止 をクリックします。

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Step.9

これで CML2 Network Simulation System が停止されました。 画面左側のナビゲーションメニューから ソフトウェア更新 をクリックします。

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Step.10

自動的に更新パッケージの確認が行われます。 しばらく時間がかかりますので待機します。

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Step.11

更新可能なパッケージ一覧が表示されます。 すべてのアップデートをインストール をクリックします。

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Step.12

順次、パッケージが更新されていきます。 更新が完了するまでしばらく待機します。

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Step.13

パッケージの更新が完了しました。 更新内容に再起動が必要なパッケージが含まれていた場合、すぐに再起動 ボタンが表示されます。 今回はこのボタンをクリックし、OS ごと再起動を行います。 再起動後は自動的に CML2 Network Simulation System が起動してきますが、もしここで再起動を行わない場合は手動で virl2.target を再開しておきます。

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アップグレード用ファイルのアップロード

Step.14

次は CML をアップグレードします。 CML へログインし直し、TOOLSUpgrade System をクリックします。

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Step.15

Upload System Update File 画面が表示されます。

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クリップアイコンをクリックし、事前にダウンロードした .zip ファイルを展開した中に含まれている cml2_2.7.2-26_amd64-29.pkg を選択します。

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Step.16

UPLOAD IMAGE をクリックし、アップロードを開始します。

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Step.17

アップロードが完了するまで、しばらく待機します。

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Step.18

アップロードが完了しました。

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メンテナンスモードの設定・ホストの停止

Step.19

TOOLSSystem Administration をクリックします。

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Step.20

SYSTEM MAINTENANCE 画面が表示されます。

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Enable maintenance mode をクリックしメンテナンスモードを有効化したら SAVE をクリックします。

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Step.21

これでメンテナンスモードが有効化されました。 メンテナンスモードが有効化されると画面の上部にオレンジ色の帯と Planned System Maintenance という文字が表示されます。 左側のナビゲーションメニューから COMPUTE HOSTS をクリックします。

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Step.23

CML を動作させているホストの一覧が表示されます。 クラスターを構成していない場合は下記のように「1 台だけ」表示されているはずです。 CML ホストは READY 状態だとバージョンアップが出来ない為、REGISTERED (登録されているが、ネットワークシミュレーション機能は利用出来ない) 状態へ変更する必要があります。

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Step.24

全ホストにチェックを入れ、CHANGE ADMISSION STATEREGISTERED をクリックします。

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Step.25

(特に「設定の保存」のようなアクションは無く) CML ホストが REGISTERED 状態になりました。

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CML のアップグレード

Step.26

CML をアップグレードする為、Cockpit からログインし直します。 Cockpit へログイン出来たら ホストCML2Software Upgrade をクリックします。

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Step.27

Upgrade をクリックします。

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Step.28

「本当にアップグレードを開始して良いか?」という確認が表示されます。 Upgrade をクリックします。 これでアップグレードが開始されます。

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Step.29

アップグレード中はやや下側にある Output 欄へ (ブラウザをリロードしなくても) リアルタイムでアップグレードの進行状況のログが追記されます。 アップグレードの完了までしばらく待ちます。 アップグレードが完了したら自動的に virl2.target が再起動されますので、再起動が完了するまでしばらく待機します。

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メンテナンスモードの解除・CML ホストの開始

Step.30

CML のログイン画面にはバージョン情報が表示されていますが、この時点で「バージョン 2.7.2」へ変更されていることが分かります。 CML へログインし直します。

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Step.31

「製品改善に協力するか?」というダイアログが表示されます。 どちらを選択しても問題ありませんが、今回は DISMISS をクリックしました。

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Step.32

TOOLSSystem AdministrationCOMPUTE HOSTS をクリックし、CML ホストの一覧を表示します。

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Step.33

全ての CML ホストにチェックを入れた状態で CHANGE ADMISSION STATEREADY をクリックしてネットワークシミュレーション機能が利用出来る状態に戻します。

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Step.34

これで CML ホストが READY 状態に戻りました。 SYSTEM MAINTENANCE をクリックします。

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Step.35

Enable maintenance mode にチェックが入っており、メンテナンスモードが有効化されています。

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Step.36

Enable maintenance mode をクリックして無効化し、SAVE をクリックします。

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Step.37

メンテナンスモードが解除されました。 アップグレードはこれで完了です。 念の為、再度、バージョン情報を確認する為に画面右下にある OK 部分をクリックします。

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Step.38

CML ログイン画面と同じく、この部分にもバージョン情報が表示されます。 バージョン 2.7.2 になっていることが確認出来ました。

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