Routing Context を指定し、都度の VRF 指定を省略する
ネットワーク機器では一台で複数のルーティングテーブルを保有出来る機器があります。こういった機能のことは各社毎に呼び名が異なります。一例を挙げると以下の通りです。
メーカー | 呼び名 |
---|---|
Cisco | VRF (Virtual Routing Forwarding) |
Juniper | Routing Instance |
F5 Networks | Route Domain |
Cisco 製品を例にとると、通常は実行するコマンド毎に参照するルーティングテーブルが所属する VRF 名を指定します。IOSv で「VRF-1 のルーティングテーブルを参照して Ping を実行する」場合は以下のようになります。
1 2 3 4 |
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これを連続して実行すると以下のようになります。数が多くなってくると都度、VRF 名を指定するのが面倒になってきます (操作ミスも増えます)。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 |
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このような場合、以下のコマンドで「VRF 名の指定を省略した場合に参照されるデフォルト VRF」を指定することが出来ます。
IOSv / IOS-XE / NX-OSv | IOS-XRv | |
---|---|---|
RoutingContext を指定 VRF に変更する | routing-context vrf VRF-NAME | set default-vrf VRF-NAME |
RoutingContext を default/global に戻す | routing-context vrf default | set default-vrf none |
尚、このコマンドは 1 セッションの間のみ、有効です。例えば、Routing Context を変更後にログアウトし、再ログインすると default/global VRF に戻ります。以下の環境で試してみます。