ACI でオブジェクト数の上限を設定する
Cisco ACI では Quota 設定を行うことにより、「特定のオブジェクトの作成上限数を制限する」ことが可能です。
例えば、Tenant1 の VRF 数の上限を「3」に設定するには下記のように設定します。
この状態で VRF を 3 以上、設定しようとするとエラーになり、設定することが出来ません。
Cisco ACI では Quota 設定を行うことにより、「特定のオブジェクトの作成上限数を制限する」ことが可能です。
例えば、Tenant1 の VRF 数の上限を「3」に設定するには下記のように設定します。
この状態で VRF を 3 以上、設定しようとするとエラーになり、設定することが出来ません。
Cisco ACI ではログインバナーをカスタマイズすることが可能です。 設定は System
→ System Settings
→ System Alias and Banners
から実施することが可能です。 今回はバージョン 5.0(2h) 環境で「何を設定すると → どこに反映されるか?」を確認してみました。
Cisco ACI では Policy CAM の消費量は「SrcEPG 数 x DstEPG 数 x Filter Entry 数 x 1 (both direction なら 2)」で算出出来る、とされています。 ですが、Filter Entry は TCP/UDP のポートを Range (範囲) 設定することが可能です。 幾つかのパターンで Range 設定を実施し、各々の状態における Policy Count 数や Zoning-Rule、Zoning-Filter の状態を見ていきます。
Cisco ACI で EPG 間の通信許可/拒否ルールを定義するには Contract 設定が必要になります。 Contract は「Contract → Subject → Filter」という三階層構造を取ります。
Contract の配下に作成する Subject には以下、ふたつの設定が存在します。
Apply Both Directions
Reverse Filter Ports
「Apply Both Directions
を無効にすると Reverse Filter Ports
も無効になる」特性上、取りうる組み合わせは以下の 3 パターンのみです (Apply Both Directions
が無効なのに Reverse Filter Ports
が有効、という設定は出来ません。 CLI から無理やり設定することは出来ますが、Apply Both Directions
がアンチェックだと Reverse Filter Ports
の設定有無による動作の差はありません)。
No. | Apply Both Directions | Reverse Filter Ports |
---|---|---|
1 | ○ | ○ |
2 | ○ | X |
3 | X | X |
今回は各々のパターンで Zoning-Rule がどのように表示されるか、確認していきます。 検証は 5.0(2h) 環境で実施しました。
Cisco ACI では Contract に同じ接続をする EPG が複数存在する場合、Master と呼ばれる「親 EPG」を作成し、「子 EPG」からは Master を参照させる、という機能があります。 この機能は EPG Contract Inheritance と呼ばれています。 EPG Contract Inheritance (コントラクトの継承) にも記載がありますが、EPG Contract Inheritance は Policy CAM のリソース消費量削減にはなりません。 今回は実際に EPG Contract Inheritance 設定を行い、Zoning-Rule がどのように展開されているか、確認しようと思います。 検証は ACI 5.0(2h) 環境で実施しました。
Cisco ACI では同一 VRF 内での通信時に「Contract 設定が必要か?」「不必要か?」を定義する Policy Control Enforcement Preference
という設定があります。 この設定はプライベート ネットワークの設定パラメータ に下記と記載されています。
Policy Control Enforcement Preference:優先ポリシー制御。値は [enforced] または [unenforced] です。[enforced] を選択した場合は、トラフィックを許可するエンドポイント グループ間のコントラクトが必要です。[unenforced] を選択した場合は、プライベート ネットワーク内のすべてのトラフィックが許可されます。デフォルトは [enforced] です。
Policy Control Enforcement Preference
は Enforced
または Unenforced
を設定出来ます。 今回は各々の値を設定した際に Policy CAM がどのように変化するのか、比較してみます。 テストは 5.0(2h) で実施しました。
Cisco ACI に関する情報を読んでいると「EPG 同士は Contract されていない限り、通信出来ない」という記載を目にすることがあります。 VRF の Policy Control Enforcement Preference
設定が Unenforced
で無い限り、この記載は概ね正しいのですが、厳密には「暗黙的に ARP は許可される」という振る舞いをします。
Cisco ACI で TCAM (Policy CAM) の使用状況を確認するには GUI の Capacity Dashboard から確認するのが簡単ですが CLI から確認することも出来ます。 今回は 5.0(2h) 環境で確認してみます。 おそらく ACI 4.0 以前や第一世代 Leaf では見え方・確認コマンドが異なるのでは無いかと思われますが、今回は対象外とします。
以前に Cisco ACI で Policy CAM の利用状況を確認する というメモを書きました。 ACI では (個々の EPG に対してでは無く) VRF 全体に対して Contract を設定する、いわゆる「vzAny」と呼ばれている設定方法があります。 今回は vzAny を利用した場合の Policy CAM の消費量を確認してみます。 尚、今回は 5.0(2h) で検証を実施しました。
従来の機器でも「ACL を設定すると TCAM 領域を消費」すると思います。 Cisco ACI でも ACI に相当する「Contract」を設定すると TCAM (Policy CAM) を消費していきます。 スイッチごとの最大 Policy CAM 数は概ね、以下の要素で決定されます。
Forwarding Scale Profile
設定今回は実際に Contract を設定し、どのように Policy CAM が消費されるのか?を確認してみます。 尚、今回は 5.0(2h) 環境でテストしました。 且つ、Enable Policy Compression
は 設定されていないもの としてテストしています。